中島らも「アマニタ・パンセリナ」
火曜日, 4月 26th, 2011幻覚サボテン、咳止めシロップ、大麻、アルコール、シャブ、 睡眠薬などにはじ まり、 毒キノコにわたるまで、ありとあらゆる中毒モノを次から次へと本を通して トリップできるのが「アマニタ・パンセリナ」である。 中島らもがさまざまな合法ドラッグを試さずにはいられないという 中毒とも言える使命感を抱え、そして生死をさまよう危険を時には近くまで行っ てのぞき、 ドラッグというものを羅列しながら、それだけに終わらない私見を書いている本 である。 ドラッグと一言でくくってしまえば、それでおしまいだ。なぜなら結果的に人体 や脳を蝕み、 そこに快感を覚え行きつ戻りつしてしまうのは、人間の弱みであるからだ。 しかし、中毒になってしまっている本人からすれば、おしまいではきっとないの だろう。 弱さを唯一救ってくれ、自分の存在を認識できる助けだからである。 肯定するも否定するも、それはひとそれぞれではあるが、おおきく話を広げると 、 中毒になんてならない人なんかいない、というのが中島らもの訴えなのである。 たまたま中島らもを初めとするドラッグに近いひとが、 たまたまドラッグを依存の対象にしただけなのだろう。 たしかに中毒や依存に似た感情や行為は各々日常に持っていて、 それに触れるからこそ孤独な自己を認識できるのかもしれない。 それに小さい大きいの差はないと言っていい。 ただ単にドラッグ本として通り過ぎない本である。